CygwinでPostgreSQLを実行する手順 †
「Windows環境を汚したくないなぁ。そうだ!CygwinのPostgreSQLパッケージをインストールして動かそう」
と思って作業をした備忘録になります。
サービス(デーモン)として動かすのではなく、
Cygwin Terminalからコマンドで実行、操作、停止までの手順となります。
postgresユーザーなども作成せず、まずはCygwin上でPostgreSQlを動かして試したい。
PostgreSQLをサービスに登録したくない!という人には役に立つかも!?
使用環境 †
PostgreSQLのインストール †
PostgreSQLはCygwinが提供しているパッケージをインストールしました。
インストール手順は、setup-x86_64.exe を起動して postgresql パッケージをインストールしました。
- View を Full にします。
- Search に postgresql を入力します。
- postgresql をクリックします。
- ▼をクリックし、12.1-1 を選択しました。
- 「次へ」ボタンをクリックしインストールします。
- 以下の画面が表示されるので、「次へ」ボタンをクリックするとインストールが開始されます。
- インストール中はプログレスバーが表示されます。
- 完了画面のキャプチャになります。
完了ボタンを押せば postgresql パッケージのインストールは完了です。
Cygwin Terminal を起動し PostgreSQLを起動するまで †
以下、Cygwin Terminal を起動し、PostgreSQLを起動するまでの手順となります。
- Cygwin Terminal を管理者権限で起動します。
- cygserver-config コマンドを実行し、サービスに登録します。
cygserver-config
- 以下のようなメッセージが表示されるので、途中、yes を入力しEnterキーを押します。
$ cygserver-config
Generating /etc/cygserver.conf file
Warning: The following function requires administrator privileges!
Do you want to install cygserver as service?
(Say "no" if it's already installed as service) (yes/no) yes
The service has been installed under LocalSystem account.
To start it, call `net start cygserver' or `cygrunsrv -S cygserver'.
Further configuration options are available by editing the configuration
file /etc/cygserver.conf. Please read the inline information in that
file carefully. The best option for the start is to just leave it alone.
Basic Cygserver configuration finished. Have fun!
cygserverをサービスに登録しないとPostgreSQLが起動しません&以下のようなエラーが表示されます。
$ /usr/sbin/initdb.exe -D $HOME/pgdata
<snip>
ブートストラップスクリプトを実行しています ... 2019-12-23 20:23:08.986 JST [994] FATAL: 共有メモリセグメントを作成できませんでした: Function not implemented
2019-12-23 20:23:08.986 JST [994] 詳細: 失敗したシステムコールはshmget(key=5432001, size=56, 03600)です。
子プロセスが終了コード1で終了しました
<snip>
- PostgreSQLを以下の手順で起動します。
Cygwin Terminalを管理者権限で起動する必要はありません。
- cygserverを起動します。
$ /usr/sbin/cygserver &
以下のメッセージが表示されれば成功です。
cygserver: Initialization complete. Waiting for requests.
- PostgreSQLを起動するためにデータベース初期化コマンド initdb を実行します。
上記メッセージが表示されプロンプト($)が表示されていないように見えますが、プロンプト($)表示後メッセージが表示されています。
なので、Enterキーを押せばプロンプト($)のみが表示されます。
$ /usr/sbin/initdb -D $HOME/pgdata
本記事では、ホームディレクトリ直下にデーベースを作成します。
以下、実際にinitdbを実行して出力されたものです。
$ /usr/sbin/initdb -D $HOME/pgdata
データベースシステム内のファイルの所有者はユーザ"sakura"となります。
このユーザをサーバプロセスの所有者とする必要があります。
データベースクラスタはロケール"ja_JP.UTF-8"で初期化されます。
デフォルトのデータベース符号化方式はそれに対応してUTF8に設定されました。
initdb: could not find suitable text search configuration for locale "ja_JP.UTF-8"
デフォルトのテキスト検索構成は simple に設定されます。
データベージのチェックサムは無効です。
ディレクトリ/home/sakura/pgdataを作成しています ... ok
サブディレクトリを作成しています ... ok
動的共有メモリの実装を選択しています ... posix
デフォルトのmax_connectionsを選択しています ... 20
デフォルトの shared_buffers を選択しています ... 128MB
selecting default time zone ... Asia/Tokyo
設定ファイルを作成しています ... ok
ブートストラップスクリプトを実行しています ... ok
ブートストラップ後の初期化を実行しています ... ok
データをディスクに同期しています ... ok
initdb: 警告: ローカル接続に対して"trust"認証を有効にします
pg_hba.confを編集する、もしくは、次回initdbを実行する時に -A オプション、
あるいは --auth-local および --auth-host オプションを使用することで変更する
ことがきます。
成功しました。以下のようにしてデータベースサーバを起動することができます:
/usr/sbin/pg_ctl -D /home/sakura/pgdata -l ログファイル start
- PostgreSQLを起動します。
/usr/sbin/pg_ctl -D $HOME/pgdata -l /tmp/postgresql.log start
ログは/tmpに出力するように設定し起動しています。
$ /usr/sbin/pg_ctl -D $HOME/pgdata -l /tmp/postgresql.log start
サーバの起動完了を待っています....完了
サーバ起動完了
上記のように出力されれば PostgreSQL の起動は成功です。
データベース作成とユーザー作成 †
PostgreSQLが起動したのでデータベースとユーザーを作成します。
- 以下のコマンドでは、データベース名 sakuradb を作成します。
/usr/bin/createdb sakuradb
何も表示されず、プロンプト($)が表示されれば成功です。
- データベースが作成されたかをコマンドで確認しています。
確認作業なので、本コマンド実行は必須ではありません。
$ psql -l
データベース一覧
名前 | 所有者 | エンコーディング | 照合順序 | Ctype(変換演算子) | アクセス権限
-----------+--------+------------------+-------------+-------------------+------------------
postgres | sakura | UTF8 | ja_JP.UTF-8 | ja_JP.UTF-8 |
sakuradb | sakura | UTF8 | ja_JP.UTF-8 | ja_JP.UTF-8 |
template0 | sakura | UTF8 | ja_JP.UTF-8 | ja_JP.UTF-8 | =c/sakura +
| | | | | sakura=CTc/sakura
template1 | sakura | UTF8 | ja_JP.UTF-8 | ja_JP.UTF-8 | =c/sakura +
| | | | | sakura=CTc/sakura
(4 行)
sakuradbが存在しているのが確認できます。
- データベースに接続し、ユーザ名 user1, パスワード pass1 を以下の手順で作成します。
- 以下のコマンドで作成した sakuradb に接続します。
psql sakuradb
成功すると以下のメッセージが出力されます。
$ psql sakuradb
psql (12.1)
"help"でヘルプを表示します。
sakuradb=#
- 以下の構文でユーザーを追加することができます。
CREATE USER ユーザ名 WITH PASSWORD パスワード ;
実際に user1 / pass1 でユーザを登録します。
sakuradb=# create user user1 with password 'pass1';
CREATE ROLE
- 以下のコマンドでユーザ一覧を表示して確認します。
sakuradb=# select usename from pg_user;
usename
---------
sakura
user1
(2 行)
- psqlコマンド \q で終了します。
sakuradb=# \q
$
作成したユーザーでデータベースに接続してみる †
作成した user1 ユーザーで接続しテーブル作成および行追加をしてみます。
- 作成したユーザーでデータベースに接続。
$ psql -U user1 sakuradb
psql (12.1)
"help"でヘルプを表示します。
sakuradb=>
- テーブル作成、行追加、行クエリーを実行しました。
sakuradb=> create table t1 (a int, b int);
CREATE TABLE
sakuradb=> insert into t1 values(1,1),(2,2);
INSERT 0 2
sakuradb=> select * from t1;
a | b
---+---
1 | 1
2 | 2
(2 行)
sakuradb=> \q
データベースの停止とcygserverの停止 †
以下に PostgreSQLの停止とcygserverの停止手順を記します。
- 以下のコマンドでPostgreSQLを停止させます。
起動時はstartだったところをstopにするだけです。
$ /usr/sbin/pg_ctl -D $HOME/pgdata/ stop
サーバ停止処理の完了を待っています....完了
サーバは停止しました
- cygserverを以下のコマンドで停止させます。
/usr/sbin/cygserver --shutdown
実際にコマンドを実行した時の出力です。
$ /usr/sbin/cygserver --shutdown
cygserver: Shutdown finished.
cygserverのアンインストール(Cygwinをアンインストールする場合) †
cygserverはサービスに登録されています。
Cygwinをアンインストールする前に、以下のコマンドでcygserverサービスを削除してください。
(管理者権限でCygwin Terminalを起動してください)
- 登録されているサービスを以下のコマンドで確認します。
cygrunsrv -L
- 以下のコマンドでcygserverサービスを削除します。
cygrunsrv --remove cygserver
以上、CygwinでPostgreSQLを起動する手順でした。